メタ16S解析の受託(MiSeq/NextSeq1000)
口腔細菌叢(唾液やプラーク等)だけでなく、腸内細菌叢、皮膚、土壌、魚類など様々な検体の解析を実施しています。
主にMiSeqを使って、世界的に多用されているV3-V4領域、V4領域、V1-V2領域のシーケンスを行っています。 ITS2領域など真菌のシーケンスも可能です。新しくNextSeqも導入しました。
お客様による1stPCR実施済みであれば、環境DNAなどの他の領域のアンプリコンシーケンスにもご対応いたします。
お客様自身でデータ解析を実施するケースが増えてきましたので、データ解析無し(Fastq納品)を基本として、Qiime2のデータ解析はオプションとなるようにサービス内容を変更しました。2021年7月より。
ナノポアシーケンサーによるメタ16S全長シーケンスも実施しています。
谷口歯科医院の細菌叢解析の特徴
Miseqを使用したメタゲノム解析
菌叢解析の次世代シークエンスにおいて定評のあるイルミナ社のMiSeq/NextSeq1000を使用します。とても精度の高いシーケンスが可能です。谷口歯科医院での解析では、1検体当たり約5万リード・10万リード(平均)と十分なリード数を取得します。
事前にMiSeqでプレランを行い、得られたリード数からサンプル量を補正するqMiSeqも実施していますので、サンプル間のリード数のばらつきを少なくしています。
解析実績は10,000件体以上
当センターは町の歯科医院の施設ではありますが、2014年6月に先駆けてMiSeqを導入以来、ゼロから細菌叢解析を立ち上げ、10000検体超の解析を実施してきました。増幅困難なサンプル・微量なサンプルなど様々な経験と十分なノウハウを蓄積してきました。大学や病院などからのご依頼も増えています。医学部を中心とした大規模な腸内細菌叢プロジェクトに参加し、DNA抽出から1次解析までを担当しています。
あいのり解析で1サンプルから対応
院内の検体と一緒に解析しますので、1サンプルから安価にメタゲノム解析をご提供致します。しかし、あいのり解析でも品質に妥協せず、質の高いデータをお返し出来るように取り組んでいます。またそれぞれ個別にライブラリー調整を実施していますので、プライマー配列やプロトコールの細かい変更にも柔軟に対応しています。
メタ16S解析の流れ
解析条件
シーケンス領域
・V3-V4領域(250bp×2PE,300bp×2PE)→一般的に使用されている領域です。
・V1-V3領域 (300bp x 2 PE)
・V1-V2領域 (250bp×2PE)
・V4領域 (250bp×2 PE,150bp×2PE)
その他の領域にも対応します。ご相談ください。
Nanoporeシーケンサーによる全長16S解析にも対応詳しくメタ16S全長シーケンスサービスへ
取得リード数
平均 約10万リードペア または 約5万リードペア /1検体 必要なリード数はご相談ください。
・リード数はより稀少な種を評価する場合に重要になります。
・解析の段階でリード数は7-80%に減りますので、十分なリード数の確保が重要です。
・取得リード数は平均値であり、検体による多少の差が生じます。
・あいのり解析の場合、qMiSeqによるライブラリー濃度の調整を行うので検体間の誤差は小さくなります。
qMiSeqとは
本シーケンスの前に、一度スケールの小さなシーケンスキットで予備シーケンスを行います。
得られたリード数をもとに各サンプル間の相対濃度を計算し、サンプルの濃度を調整する方法です。
1回分のシーケンス費用がかかりますが、検体間のリード数のばらつきは小さくなります。
検体数が多い解析の場合にはqMiSeqを行うことで均一なリード数が確保できるのでお勧めです。
受け入れサンプル
・唾液・糞便等、サンプル(別途、抽出費が必要です)
・ゲノムDNA(抽出・精製済み)
DNA量の目安:5ng/ul x 20ul 以上
(収量が極めて少なくても、解析できる場合があります。諦めずにご相談下さい。)・1stPCR済みのDNAサンプルであれば、解析費用は少し安くなります。
精製(AmpureXP精製)したものをお送り下さい。
電気泳動で確認し、(2)のライブラリー作製から行います。
作業内容
(0)メタゲノムDNAの抽出(オプション)
市販キット(Qiagen,Zymo,PowerSoil等)をご指定いただけます。
濃度測定・ゲノムDNAの電気泳動を行います。
糞便からのDNA抽出サービスも合わせてご覧ください。↓↓
(1)16SrDNAの指定領域をPCR増幅します。(1stPCR)
電気泳動で増幅を確認します。
AmpureXPで精製します。↓↓
(2)アダプターとインデックス配列を付与します。(ライブラリー調整)
電気泳動で確認し、AmpureXPで精製します。
qMiSeqにて各ライブラリーの濃度を計算し、濃度を調整します。
デジタルPCRで定量し、シーケンスに最適な濃度に調整します。↓↓
(3)MiSeqによる次世代シーケンスを実施します。
↓↓
(4)Qiime2を用いて基本的なインフォマティクスを実施します。 (オプション)
データ解析(オプション)
今までは1stPCRからデータ解析(Qiime)までを基本サービスとして実施していました。
しかし、最近はご自身でデータ解析に挑戦されることが増えてきましたので、Fastq納品を基本プランとするようにしました。
主なデータ解析方法
・Qiime2(コマンド操作)
メタ16S解析で広く使われるソフトです。無償で利用できます。
導入も以前に比べて簡単になりましたし、使用方法を説明するサイトや書籍も充実してきました。
書籍の一例 次世代シークエンサーDRY解析教本 改訂第2版
・CLC Genomic Workbenchなどの有償ソフト(マウス操作が可能)
・EZBioCloudなどの解析webサービス(有償)
簡単に基本的な解析が実施できます。国内であればfilgen社が取り扱っています。
https://filgen.jp/Product/BioScience21-software/Chunlab/index.html
・他社への依頼(他社へのFastq納品も大歓迎です)
メタ16S解析も、上記のような典型的な解析パイプラインでは、有効な結果を引き出せないケースが増えています。
細菌叢解析により経験が豊富なデータ解析専門の会社に解析を相談されるもの有効な手段です。
研究計画からデータ解析、論文作成までサポートしてくれる協業先を御紹介できます。お気軽にご相談下さい。
Qiime2によるデータ解析(オプション)
もし、データ解析をお任せ頂ける場合は、以下の流れで作業を実施します。
・ リードの結合やフィルタリング、キメラ・ノイズ除去を実施します。
・標準的なパイプラインを使用して、門~属・種のレベルで結果をお返しします。
・Qiime2による多変量解析(PCoA解析)まで実施します。データベースは最新のSilvaを用います。
・16Sデータからの機能予測解析(PICRUSTs)、クラスター解析、LefSe解析、ランダムフォレスト等、実施可能です。ご相談下さい。さらに複雑な解析が必要な場合は、細菌叢解析のデータ解析を得意とする協業先と共同で作業を行います。
納品物
・作業報告書(PDF)
・塩基配列データ(Fastq)
・塩基配列の品質データ
・PCR産物の電気泳動結果(PDF)
・門~属・種レベルの系統組成・菌叢構成の結果(Excel)
・Qiime2によるHeatmapや多変量解析(UniFrac解析)の結果
~納品データの一例~ 解析内容により異なります。
解析オプション
・機械学習、ランダムフォレスト等の実施、LefSe解析
・データ解析のコンサルティング
・その他必要な解析・図表があればご相談ください
解析費用
あいのり解析の場合
あいのり解析では他の案件と一緒にシーケンスするため、費用を抑えることができます。
解析センターでは、シーケンス品質の確保のために、最大100-200検体を目処に解析を行っています。(1検体5万リード、または10万リード目安)
Fastq納品(シーケンス生データの納品・データ解析無し)
約1万リードの場合 ←環境DNAでよく用いられるリード数です。
Fastq納品 1検体 6,000円(税込み6,600円) 1stPCR済みなら、1検体5000円(税込み5500円)約5万リードの場合 ←細菌叢解析では広く利用されているリード数です。
Fastq納品 1検体 8,000円(税込み8,800円) 1stPCR済みなら、1検体7000円(税込み7700円)約10万リードの場合
Fastq納品 1検体 10,000円(税込み11,000円) 1stPCR済みなら、1検体9000円(税込み9900円)検体数が多い場合はご相談ください。データ解析をご希望の場合は別途費用が必要になります。
お急ぎの場合は、単独解析をご検討ください。単独解析の場合、上記金額の+10~15万円が目安となります。
ただし、データ量(リード数)によって増減します。
単独解析の場合
ご依頼サンプルのみで解析を実施します。1ランをまるまる充てますので、十分なデータ量の確保が可能です。
お急ぎの場合や、他のご依頼と一緒のシーケンスを避けて欲しい場合にお勧めです。
目安の費用。詳細はご相談下さい。
60検体 60万円 (qMiSeqによる定量を含む)※Fastq納品(データ解析無し)
100検体 80万円 (qMiSeqによる定量を含む) ※Fastq納品(データ解析無し)
いずれも1検体10万リードを目安にしています。リード数が少なくて良い場合は、250bp×2のシーケンスで、さらに安くなります。リード数はご相談ください。
逆にデータ量が少なくても良いのでしたら、あいのりでの解析で費用を抑えることもできます。
定期解析の場合
年間を通じてのプロジェクトなどありましたら、お気軽にご相談ください。
定期的に数検体ずつご依頼下さる場合、
年間の想定依頼数をもとに、1検体の解析費用を算出します
コストを抑えるには・・・
解析センターでは、ライブラリーのQCを要所要所でしっかりと行い、1検体10万リードと余裕を持ってシーケンスを実施しています。
あまりお勧めではありませんが、コストを抑えたい場合は以下のことをご検討ください。
DNA抽出、1stPCRを自分で実施する。ライブラリー調整を自分で実施する。Qiimeの解析を自分で行う。
リード数を減らす。qMiSeqを実施しない。等が考えられます。ご予算とともにお気軽にご相談ください。
※現在、あいのり解析ではすべてqMiSeqを実施することにしておりますので、qMiSeqは省略できません。
データ解析の費用
QIime2での一通りの解析(1回につき)
1-10検体 1~3万円(税込み55,000円)
11-20検体 5万円(税込み55,000円)
20-50検体 1検体につき2500円(税込み2,750円)
50検体以上 ご相談下さい。
※複数の組み合わせで実施する場合(再解析を含む)は、追加の費用が必要になる場合があります。事前にご相談下さい。
解析費用や内容は今後も見直していきますので、ご了承下さい。
納期
状況や解析内容によりますが、可能な限り最短の日数でお返し致します。
あいのり解析でもできるだけ早くお返しします。
特にお急ぎの場合は事前にスケジュールをご相談ください。
あいのり解析の場合
2-5週間
検体の集まり状況により若干、お時間をいただく場合がありますが、
できるだけ最短の日数で返すようにしています。
お急ぎの場合は事前にご相談下さい。
単独解析の場合
他の検体の影響を受けませんので、最短での納品を行っています。
1-3週間程度。
検体数や作業内容にも寄りますが、最短、1週間以内の納品も可能です。
DNA抽出を伴う多検体の場合は、若干、お時間を要する場合があります。
DNA抽出(オプション)
・唾液やプラーク、糞便、皮膚などからのDNA抽出に対応しています。
・市販のキットを使用します。キットやプロトコールのご指定が可能です。
ライブラリー調整は自分でできる方は・・・
調整済みライブラリーをお送りください。シーケンスのみを実施します。
V3-V4領域、V4領域、V1V2領域であればあいのりでのシーケンスも可能です。環境DNAのシーケンスにご利用いただけます。ご希望のシーケンス試薬(リード長・データ量)によって、10~40万円(税込み11~44万円)となります。詳しくは以下のページをご覧下さい。NextSeqの場合はお問い合わせください。
注意事項
メタ16S解析は解析プロトコールによって大きく結果が異なって参ります(※)。
あいのり解析においても、ご依頼いただいた検体のみを独立して作業を進めます。
そのため、あいのり解析でもプロトコールの変更が可能です。
プライマー配列、PCR酵素・反応条件、データ解析のパイプライン・パラメータなど、ご指定ください。
※メタ16S解析は、シーケンス領域、プライマー配列、PCR条件(酵素の種類など)、データ解析手法、参照データベース・パラメータなどを変えると結果が変わってしまいます。他の論文と比較したり、より有効にデータを活用するためには、できるだけ同一条件での解析が必要です。 あらかじめご相談ください。
解析へのこだわり
DNA電気泳動 ・DNA濃度測定
質の高いデータを得るために、LabChip GX Touch HT(パーキンエルマー社)、Qubit2.0(サーモフィッシャー社)、リアルタイムPCR、デジタルPCRを使用し、ゲノムDNA、PCR増幅産物、ライブラリー等のチェックをステップ毎に行っています。
こちらの装置のみを利用・解析依頼したい方もお気軽にどうぞ!
あいのり解析でのコダワリ
あいのりでの解析は、比較的安価に解析できる手段です。しかし、品質の低下やコンタミネーションのリスクが高くなります。そのようなことが無いように、注意を払って作業を行っています。
・案件ごとに新しいフィルターチップ、新しい試薬(PCR酵素や滅菌水等)を使用します。またPCRも他の案件とは完全に独立してセットアップ・ランをし、案件間のコンタミネーションのリスクを軽減しています。
・検体数にはかなりの余裕をもってランをしています。本来は1ランで200検体程度のデータ量が得られますが、最大でも150検体程度を目安にランすることで、オーバークラスターによる品質の低下を防ぎ、データ量にも余裕があるシーケンスを目指しています。その分利益は少なくなりますが、品質には変えられません。
丁寧な作業を実施
一つ一つの作業を責任を持って丁寧に実施します。また電気泳動、リアルタイムPCR、デジタルPCR等の周辺機器を用いてライブラリーの状態を常にチェックすることで、より良いシーケンスデータが得られるように努めています。シーケンスクオリティーが悪い場合はもちろん再シーケンスを実施して対応しています。
各サンプル間のデータ量をできるだけ等しくするようにライブラリーの濃度の定量が重要です。必要に応じてMiSeqの事前ランによる定量(qMiSeq)を実施することで、より均一なデータ量が得られるようにもなります。
様々なプロトコールのカスタマイズが可能
メタ16S解析は、論文によって少しずつ異なるプロトコールで解析されています。プライマー配列、PCR条件(PCR酵素、サイクル数など)、作業工程の変更などに個別に対応しています(あいのり解析でも)。杓子定規ではない、かゆいところに手が届く受託解析の提供が特徴です。